救急外来での考え方・動き方 その1

救急

はじめまして!

Dr. クルクルと申します。私は地方の救命センターで救急医をしておりますが、救急外来での診察で苦労している新人研修医が少なくないと感じていました。

そこで、当院の研修医に自分が伝えたお話の中で反響があったものなどをピックアップして、ブログで発信していこうと思い、このブログを開設しました。「目で見るより音で聞く方が入ってくるよ!」という方はDr.クルクルのyoutubeをご覧ください。音声バージョンでお届け致します!(笑)
→第1回はコチラ https://youtu.be/VAEJGHWpqM0
初期研修医そして未来の研修医(医学生)のみなさんの参考になったら嬉しいです。

それではさっそく「なぜ初期研修医は救急外来が苦手なのか??」ですが、
その原因は① 疾患が分からない、② 自分の仕事が分からない、③ コメディカルとの関わり方が分からない、ことにあると考えています。1つずつ話していきましょう。

① 疾患がわからない
救急外来には診断のついていない患者さんがやってくることが大半です。基本的に医学部で学ぶ知識は「この疾患にはこんなことが起きて、こんな治療をする。」といったものなので、慣れない研修医はそこで戸惑ってしまいます。
「喘息の患者なら呼吸困難が起きていたら、β刺激薬の吸入をしよう」これは想起しやすい。しかし、その前に鑑別診断が待っています。例えば「呼吸苦」の場合なら喘息の他に、気胸・細菌性肺炎・間質性肺炎急性増悪・心不全心筋梗塞肺塞栓症・異物誤嚥喉頭蓋炎・血管浮腫・過換気症候群など、その鑑別は10種類では収まりません。
そんな中でこの患者さんの呼吸苦は本当に「喘息」で良いのか??そこが大事になってきます。
  「診断なくして治療なし!!」
    (実は例外もありますが、それはまた今度のお話)
これが救急外来診療の醍醐味、「主要症候から攻める診断術」になります。このブログでは症候からアプローチする診察ポイントを「各論編」として次回以降話していければと思っています。ちなみに、自習するなら自分がよくお世話になったこの2冊をお勧めします。

内科診断リファレンスは身体所見の感度/特異度が記載されており、身体所見の意味を感じることができる良書です。類似(というかこちらが本家?)の「マクギーのフィジカル診断学」も有名です。

診察エッセンシャルズはポケットサイズなので白衣に忍ばせ、目の前の患者さんの症候から想起すべき鑑別診断をちょこっと調べてから指導医に相談するとGood!
2年生の君は鑑別するために必要な諸検査と現時点で必要な治療についても一緒に提案しよう!😁

ということで、ちょっと長くなってきたので今日はここまでにします。
次回は「② どこまでが自分の仕事かわからない😅」についてお話ししたいと思います。
気になったことや今現在困っていることがあったら私に教えてください。いただいた質問に可能な限りお答え出来たらと思います。

それでは、また(^-^)/

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