在宅医療の中で非常に多く遭遇する疾患が「褥瘡」です。そして、褥瘡の治療でよく使用するものは「創傷被覆材」ですが、保険が通る条件が思っていたより”狭い”ということを知りました。
まず創傷被覆材とは何かというと、日常生活で使うものとしては「絆創膏」や「キズパワーパッド」がこれに当たります。
医療現場で使用できる創傷被覆材の例は以下の通りです。
たくさんある上に、真ん中の項目を見ると「保険適用」があるものとないものがあるんです!色々売っているけれど適当に使ってしまうとクリニックが赤字になってしまうのです!
しかも、保険適用のフリして、実はたくさん患者さんに渡せないものも混ざっていて、難易度高しです。
まず、保険適用の方法にも種類があるのでそちらを見てみましょう。
こんな感じで3種類あります。
ここで一番のポイントは方法①と②③の間には大きい隔たりがあるということです!
まず、方法②③の適応はD3-D5つまり「皮下組織に至る創傷」より深いものでないと使えない手段になります。
対して、方法①は褥瘡・熱傷・スキンテア(表皮剥離)など皮膚トラブルなら比較的いろいろな場面に対応できます。ただし、これは「医師が貼ったとき」だけ保険適用になるので、医師がいないときの交換用の材料はすべて保険適用外(クリニックの持ち出し)になります。つまり、家族や施設職員に毎日交換してもらうよう指示するようなことは出来ないということですね。
方法②と③の違いは上の図の通りで、クリニックから患者さんへ創傷被覆材を渡すか、処方箋を出して薬局が創傷被覆材を患者さんにお渡しするかの違いです。創傷被覆材の料金を取りっぱぐれることはないので、クリニックの売上としては両者は同じですね。処方箋で出すほうがクリニックとして在庫をかかる必要がない分、身軽で良い印象です。
まとめ+追加情報は以下の通りです。
方法①:
医療者が直接患者に使用する場合は、「 真皮」以上の深度を有する皮膚欠損部位(創傷治癒の促進、創傷面保護及び疼痛軽減を目的として使用するものであること。)に使用可能。
材料の例)ハイドロサイト薄型
方法②・③:
患者に渡して家族や施設職員が交換できる。「皮下組織に至る創傷」より深い皮膚欠損部位に適用あり。
材料の例)ハイドロサイトAD
診療報酬算定の世界は奥が深いですねぇ。
また勉強したらシェアしたいと思います。
ではまた。
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