日本抗加齢医学会研修講習会(基礎・受験編)2024/3/17開催分試験情報まとめ

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6月1日の抗加齢医学会専門医試験に向けてのお勉強を今日も続けています。
今回は今年の受験対策用ビデオ講義を受けたので、そのポイントのまとめです!

2024年3月17日開催:日本抗加齢医学会研修講習会(基礎・受験編)
「 腸内細菌・ 腸管機能を応用した代謝異常症治療」
★腸内細菌の分類:Bacteroidetes、Firmicutes、Proteobacteria、Actinobacteria、Verrucomicrobia
・Bacteroidetesはグラム陰性菌が多い。Firmicutesはグラム陽性菌が多い。この2つが全体の9割を占める。Bacteroidetesは肥満で減少し、Firmicutesは肥満で増加する。
・赤ちゃんはビフィズス菌が多い。ビフィズス菌はActinobacteria門の1つ。
・加齢に伴い病的な菌(E.coli)が増える。
★ 腸内細菌層の構成に影響する因子:上から順に薬剤、疾患、年齢・性別・BMI、食習慣、喫煙・飲酒。
★ 腸内細菌層の構成に影響する薬剤:消化器疾患薬、糖尿病薬、抗生剤、抗血栓薬。
 例)α-グルコシダーゼ阻害薬、PPI
★食事内容で腸内細菌叢は変化する。
★断食をするとアッカーマン菌が増える。アッカーマン菌はVerrucomicrobia門。
★メトホルミンは腸管に影響を与える。①ビグアナイドとしての抗菌作用、②腸管内糖代謝の変化、③胆汁酸代謝の変化、④腸管ホルモン分泌促進
★運動をすることで腸内細菌叢が変化し、耐糖能が改善する。
★時差で腸内細菌叢が狂うと、太りやすくなる。

「女性ホルモンとアンチエイジング」
・60代になると女性の分泌する女性ホルモンの量は男性の分泌する女性ホルモンの量より少なくなる。
★女性の下部尿路症状は下記3パターンに分類できる
 ①蓄尿症状:昼間頻尿、夜間頻尿、尿意切迫、尿失禁
 ②排尿症状:尿勢低下、尿線分割、尿線途絶、排尿遅延、腹圧排尿、終末滴下
 ③排尿後症状:残尿感、排尿後尿滴下
★GSM(Genitourinary syndrome of menopause):従来萎縮性腟炎・老人性膣炎と言われたもの。中等症以上ならエストロゲン補充療法が効く。
★エストロゲン補充療法の禁忌: 重度の活動性肝疾患、 現在の乳がんとその既往、 現在の子宮内膜がん、 低悪性度子宮内膜間質肉腫、 原因不明不正性器出血、 妊娠が疑われる場合、 急性血栓性静脈炎または静脈血栓塞栓症の既往、心筋梗塞および冠動脈に動脈硬化性病変既往、脳卒中既往
★エストロゲン補充療法の慎重投与:子宮内膜がんの既往、卵巣がんの既往、肥満、 60歳以上または閉経10年以上の新規投与、冠攣縮および 微小血管狭窄症既往、 慢性肝疾患、 胆嚢炎及び胆石症の既往、 重症高TG血症、 コントロール不良の糖尿病、 コントロール不良の高血圧、 子宮筋腫、子宮腺筋症既往、片頭痛、てんかん、急性ポルフィリン症、全身性エリテマトーデス

「百寿者研究 スーパーセンチナリアンの医学」
・日本には100歳以上の高齢者が10万人近くいる。このうち88%が女性。
★なぜ百寿者を調べるのか:①健康寿命に資する要因を明らかにする、②ヒトの究極の老化像を明らかにする、③ モデル動物を用いた抗加齢研究から得られた結果がヒトの長寿にも適用されるか検証する。
・百寿者は 糖尿病が少ない
・スーパーセンチナリアンとは110歳以上の高齢者のこと。

「再生医療をからめた見た目の抗加齢医療」
・再生医療を支える3本の柱:iPS細胞、体性幹細胞、ES細胞
・体性幹細胞とは生体内に存在する幹細胞の一種で、限られた種類の細胞に分化することができます。組織や臓器を長期にわたって維持する重要な細胞で、消えゆく細胞のかわりを造り続けています。
★再生医療安全性確保法:リスクに応じた手続き(第一種〜第三種)
・第一種再生医療は高リスク:ES細胞・iPS細胞・他家細胞を使用する
・第二種再生医療は中リスク:自家細胞・体性幹細胞を使用する
・第三種再生医療は低リスク:PRPや免疫細胞を使用。

「サプリメントの安全性」
試験のポイント
① サプリメントの原材料や添加物の使用基準
② 製造工程:HACCPとGMPについて
③ 特定成分等含有食品について
④ マジンドール、シブトラミン、アマメシバ
⑤ 推奨量、耐容上限量、一日許容摂取量について
⑥ 栄養機能食品の種類と摂取の際の注意事項
⑦ サプリメントと医薬品の相互作用
薬物代謝において重要な役割を果たす酵素はその中でも重要な亜型は?

・サプリメントに医薬品に該当する成分を含むことは禁止されている。
・サプリメントに安全審査を受けていない遺伝子組み換え食品を含むことは禁止されている。
★添加物の使用基準:一日摂取許容量(ADI)を十分下回る量でなければならない。ADIとはヒトが一生涯にわたって毎日摂取しても全く健康に影響のない量。
★2021年より食品など事業者は危害要因分析重要管理点(HACCP)に従った衛生管理が義務付けられている(有害微生物や異物混入防止)
・ISO22000(食品安全を管理する世界共通規格)にはHACCPの内容が組み込まれている。
★適正製造規範(GMP)ガイドライン
 ① 製造工程における人為的な誤りの防止
 ② 人為的な誤り以外の要因による製品そのもの、汚染及び品質低下の防止
 ③ 製造工程を通した一定の品質確保を目指した管理システムの構築
★ 特定成分等含有食品:コレウスフォルスコリー、ドオウレン、プエラリア・ミリフィカ、ブラックコホシュ
・マジンドールはBMI35以上でないと保険適用で処方できない。
★アマメシバは閉塞性細気管支炎を起こすため販売禁止
・コンフリーは肝静脈閉塞性疾患を起こすため販売禁止
★推奨量: 推定平均必要量を補助する目的で設定。ほとんどの人が充足している量。
★耐容上限量: 過剰摂取による健康障害からの回避を目的として設定。 十分な科学的根拠を得られない栄養素については設定しない。
・亜鉛・銅は小児の摂取は禁忌
・健康食品と医薬品の併用による副作用は主にCYP450が原因。CYP450は薬物代謝を触媒する酵素であり、有害事象の73%はCYP450のせい。特にCYP3A4やCYP3A5が30%を占める。

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