6月1日開催の抗加齢医学会 専門医試験受験に向けて勉強を最近は重点的に行なっています。
試験対策用の公式問題集があり、問題集で自分が間違えた問題や大切だと思うところをピックアップしてオリジナルの解説を作っています。
試験対策はもちろん、すべての人に関係があるアンチエイジングについての現時点で医学的に最も正しい情報なので興味がある方は御覧ください😊
それでは、脳神経・運動器編スタート!!
Q11-2:
・認知症における危険因子は若年期(18歳未満)、中年期(45-65才)、老年期(65歳以上)で異なる。
若年期の危険因子:低教育
中年期の危険因子:難聴、高血圧、肥満
老年期の危険因子:喫煙、抑うつ、運動不足、社会的孤立、糖尿病
Q11-3:
・先進国(の一部)では認知症の発症はすでにピークアウトしている。むしろ発展途上国で今後認知症の著増が危惧されている。
・日本における認知症有病率の上昇はアルツハイマー病の増加の影響が大きい。
・抗コリン薬は認知症を誘発する。
Q11-4:
・軽度認知機能障害(MCI)は適切な介入により健常な状態に回復しうる。
・MCIは65歳以上の高齢者の15-25%と言われ、日本で最大800万人と推定されている。
Q11-6:
・アルツハイマー病といえば「アミロイドβが蓄積する疾患」だが、アミロイドβ自体は脳内で算出される生理的なペプチドで、神経保護作用や神経栄養作用機能など良い作用を持つ。しかし、増えすぎると毒性を持つ。
・神経原線維変化はリン酸化タウ蛋白の蓄積によっておこる。これが老人斑の主因である。
・家族性若年発症型アルツハイマー病ではアミロイドβの蓄積の原因は産生増加。対して、孤発性はアミロイドβの排出低下によって蓄積する。
・アルツハイマー病の脳内ではアミロイドβがリン酸化タウ蛋白よりも先行して蓄積する。
Q11-7:
・IGF-1の血中濃度が高い中高齢者は認知症発症リスクが低い。(補足:対して、IGF-1シグナルが低下すると、マウス以下の生物では寿命延長が認められるとわかっている。)
Q11-8:
アルツハイマー病ではアセチルコリンが減少する。
Q12-3:
・認知行動療法とマインドフルネス認知療法は違う。
認知行動療法は、思考の内容に焦点を当てて認知のパターンを修正することにより、不快な感情の改善を図る心理療法。例えば、水がコップに半分入っている状態を「半分しか入っていない」と思うか「半分も入っている」と思うか。また、閉所恐怖症なら許容できるレベルの閉所にいくトレーニングを繰り返し、徐々に狭くしていって慣らしていくなど。
マインドフルネスは「今」に集中すること。人は不安になると未来や過去のことばかり考えるようになり、そこで思考の反芻が出現する。「今」に集中することでこの反芻の負のサイクルを抑制し、思考を客観的に捉えることを目指す。
Q13-9:
・心疾患などがない場合の降圧薬第一選択はカルシウム拮抗薬、サイアザイド系利尿薬、ARB/ACE阻害薬の3種類
Q13-10:
・75歳未満の成人降圧目標としての診察室血圧は130/80mmHg。家庭血圧の降圧目標は125/75mmHg。
・一方、高齢者の降圧目標は140/90mmHg
Q14-2:
・骨粗鬆症の定義は1)骨密度がYAM値70%未満、2)骨密度にかかわらず脊椎あるいは大腿骨近位部の脆弱性骨折の既往、3)YAM値70%以上80%未満で、以下の脆弱性骨折の既往:上腕骨遠位骨端、橈骨遠位端、肋骨、骨盤
Q14-3:
・改訂J-CHSによるフレイル判定は以下のうち3項目以上が該当することを指す:①体重減少、②活動量減少、③活力低下、④筋力低下、⑤歩行速度低下
Q14-4:骨粗鬆症治療薬の作用について
・骨形成促進:副甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、
・骨吸収抑制:抗RANKL抗体、ビスホスホネート製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター
・上記両方:抗スクレロスチン抗体のみ
Q14-12:
・コグニティブフレイルは身体的フレイルに認知機能低下が合併した状態。
・ダイナペニアは筋肉量の減少を伴わない筋力または身体機能低下状態である。
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