抗加齢医学会専門医試験 対策問題集解説(その4)

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6月1日開催の抗加齢医学会 専門医試験受験に向けて勉強を最近は重点的に行なっています。
試験対策用の公式問題集があり、問題集で自分が間違えた問題や大切だと思うところをピックアップしてオリジナルの解説を作っています。

試験対策はもちろん、すべての人に関係があるアンチエイジングについての現時点で医学的に最も正しい情報なので興味がある方は御覧ください😊
それでは、男性医療・女性医療編+αスタート!!

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Q15-2:
・テストステロン補充療法の有害事象として多血、不妊症、乳房痛、ニキビ、脂性肌がある。
・テストステロン補充により勃起不全や性欲、QOLは改善する。血糖や総コレステロール、中性脂肪は低下する。
Q15-7:
・テストステロンの低下は狭心症、動脈硬化、肥満、糖尿病、ED、うつ、メタボ、骨粗鬆症、アルツハイマー病などに関わる。
Q16-3:
・日本人女性の閉経年齢の中央値は49.5歳である。
・子宮摘出後などのように月経により判断できない場合には、ホルモン値「FSH(卵胞刺激ホルモン)値40mIU/mL 以上かつE2 値20pg/mL以下」をもって閉経後と診断される。
・月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経とする。
・閉経予測は難しく、予測に役立つ生体マーカーは存在しない。
・閉経前後5年が更年期。
・更年期障害の起こる順序は自律神経症状(ホットフラッシュと呼ばれる血管運動神経障害様症状が代表的)→精神症状(抑うつ、不安、不眠)→泌尿生殖器萎縮症状(萎縮性腟炎、尿失禁)→その他(脂質異常症、動脈硬化、骨粗鬆症、認知症)
Q16-8:
・排卵は黄体形成ホルモンの急上昇(LHサージ)がトリガーとなって起こる。排卵後の卵胞は黄体となり、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌される。
・視床下部にある生殖腺刺激ホルモン(GnRH)が、LHと卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を促進する。
・卵胞ホルモン(エストロゲン)は排卵直前に上昇する。そのポジティブフィードバックでLHサージが起こる。エストロゲンは二峰性に黄体期にも上昇する。

Q17-4:
・紫外線から肌を守る機能は加齢によって低下しない。紫外線から肌を守るメラニンの産生は紫外線や炎症の刺激で増えるためである。
・加齢とともに表皮のターンオーバーが遅くなるため、メラニンの排出が遅れる。これがくすみの原因となる。
・コラーゲンの産生能力が落ちるため、真皮が菲薄化する。
・角質のバリア機能は加齢に伴い低下し、肌は乾燥しやすくなる。
Q17-5:しわ治療の注射について
・コラーゲン注入剤は皮内テストが必要。A型ボツリヌス毒素は皮内テストが不要。
・ボツリヌストキシン注射をすることで筋肉が弛緩する。表情によってできるシワを改善し、シワの進行を予防する治療。
・顔へのヒアルロン酸の注入部位としてオーソドックスな箇所は、額、こめかみ、目の下、マリオネットライン、頬(ゴルゴライン)、ほうれい線、顎など。ヒアルロン酸注入はほとんどのシワに対応可能。
・非吸収性注入剤は肉芽腫発生や異物反応を起こしやすい。ヒアルロン酸は吸収される。

ボツリヌス注射領域の例
ヒアルロン酸注射領域の例

Q17-6:レーザー治療について
・老人性色素斑のターゲットはメラニン。メラニンが破壊できる波長のレーザーは「Qスイッチルビーレーザー」「QスイッチNd:YAGレーザー」「Qスイッチアレキサンドライトレーザー」など。
・アルゴンレーザーは血管系の治療に使用される。眼科・耳鼻科、静脈瘤治療など。
・ホルミウムレーザーは泌尿器の手術に使用される。
・レーザーには大きく分けて、1.コラーゲン(水分)に吸収されるもの、2.メラニンに吸収されるもの、3.ヘモグロビンに吸収されるものという3つのタイプがある。
・ニキビ跡やシワのレーザー治療は、コラーゲンに吸収されるレーザーを使って、肌のコラーゲンを刺激し、増殖させることで解消しようとするものです。

Q17-8:
・メラノサイト(色素細胞)は表皮に存在する。
・ケラチノサイトのターンオーバー低下によりケラチノサイト内にメラニンが貯留することで「シミ」ができる。
Q18-3:
・機動防御能(誤嚥予防能力)を評価できる検査の例:咳テスト、頸部聴診法、嚥下造影検査
・咳テスト:クエン酸Naを超音波ネブライザーで噴霧して、咳嗽反射を評価する方法。
・頸部聴診法:咽頭部での嚥下音の性状や長さを評価して嚥下障害を判定する。
・サクソンテスト:ドライマウスやシェーグレン症候群に対して唾液分泌能を評価する方法
・オーラルディアドコキネシス:「パ」「タ」「カ」で構音障害の評価をする。
Q18-5:
・睡眠中は、耳下腺からほとんど唾液は分泌されず、主に顎下腺から分泌されると考えられています。食事をしたり刺激を受けたりすると耳下腺の分泌量が増えますが、安静時は顎下腺の分泌量が多くなります。
Q18-6:
・口腔粘膜の消毒にはポピドンヨードを用いる。
Q18-8:
・口臭の原因は硫化水素とメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドである。これら揮発性硫黄化合物は、口の内に生息している嫌気性菌が食物残渣などの含硫アミノ酸を分解・腐敗することで産生されます。
・産生部位としては、辺縁性歯周炎・口内炎・壊死性軟組織疾患・口腔癌などの疾患病巣、あるいは舌苔や貯留唾液があげられます。このうち歯周病・舌苔が原因のほとんどを占め、この両者では舌苔からの産生量の方が多いといわれています。
Q18-10:
・顎骨壊死の誘因として、抜歯などの侵襲的歯科口腔外科治療や、不良な口腔環境があるため、歯周病はリスク因子となる。
Q18-11:
・口腔機能低下症は以下の7つの下位症状のうち、3項目以上該当する場合に該当する。
 口腔衛生状態不良、口腔乾燥、咬合力低下、舌口唇運動機能低下、低舌圧、咀嚼機能低下、嚥下機能低下
Q19-2:
・日本の中途失明原因ランキング:緑内障、糖尿病性網膜症、網膜色素変性、加齢黄斑変性、脈絡膜萎縮、視神経萎縮、白内障。
・世界全体でみると中途失明原因の圧倒的トップは白内障。
Q19-4:
・老人性難聴の誘発因子は遺伝要因、人種、騒音曝露歴、喫煙、飲酒、糖尿病、循環器疾患、性ホルモンの影響などである。耳掃除は関係ない。
Q19-6:
・加齢に伴う平衡機能低下の原因:視力低下、耳石器の機能低下、下肢運動機能低下、体感の固有知覚(深部知覚能)低下、
Q19-12:
・ヘリコバクター・ピロリ菌感染は様々な疾患との関連が報告されている。
 例)胃がん、消化性潰瘍、胃MALTリンパ腫、胃過形成ポリープ、機能性ディスペプシア、胃食道逆流症、血小板減少性紫斑病、鉄欠乏性貧血。
Q20-3:
・尿中ペントシジンは加齢とともに上昇し、骨質低下の指標となる。
・ビタミンDは骨密度だけでなく、筋力とも相関するため、血中25(OH)D濃度低値群では転倒リスクが高い。
・アディポネクチンは脂肪細胞から分泌される生理活性物質であり、AMPキナーゼ活性化作用およびインスリン抵抗性改善作用がある。AMPKは細胞内のエネルギーが不足すると活性化し、代謝を制御する分子です。 2型糖尿病や肥満といった代謝疾患に加え、近年ではガンや老化の調節因子としてAMPKが注目されています。 実際に糖尿病薬であるメトホルミンや運動によってAMPKが活性化されることが知られています。
・FMDは血管内皮機能を表し、加齢とともに低下する。低下すると心疾患リスクが高まる。
Q20-4:
・特定健康診査(いわゆる、メタボ検査)では腎機能評価は含まれない。
・特定健康診査には保健指導判定値(生活指導レベル)と受診勧奨判定値(医療機関受診が必要)がある。そこに腹囲は含まれない。

Q20-5:
・ホルモン年齢は加齢に伴い低下するホルモン(DHEA-s、IGF-1)を指標としている。
・尿中8-OHdGは酸化ストレス指標である。酸化ストレス指標の血液検査としてdROM/BAP、OS/APがある。

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